まず初めに死産とは、
22週以降に子宮内で胎児が死亡している(子宮内胎児死亡=IUFD)または、出産の途中で心拍が停止した状態で出産すること。
法的には12週以降は火葬義務があるため、死産とする。
12週以降の死産・人口死産は共通して、普通の分娩と変わらず、陣痛を起こし出産する。
場合によっては、帝王切開の可能性もある。
死産分娩の流れ
私は妊娠中期に胎児の心拍が停止し、死産となりました。
初めての妊娠出産が悲しくつらいものではありましたが、娘を出産し、こんなに尊く愛しいものがあるのかと幸せを感じる瞬間でもありました。
これを見ている中には、突然のことに深い悲しみと絶望のどん底にいる方もいると思います。
そんな方々に、怖がらなくてもいいよと伝えたくて記事にしました。
死産分娩は、基本的に数日間の入院をし行います。
落ち込んでいるときに個人の心情が記されている体験談などは、冷静に読めないと思いますので簡単にわかりやすく説明します。
子宮口を広げる処置 ー1日~数日ー
入院初日、場合によっては翌日に子宮口を広げる処置をします。
ラミナリア桿(かん)という、水分を含むと2~3倍に膨れ子宮口を押し広げる棒状の物を、膣の中に入れます。
これがまあまあな激痛です。
この処置は、赤ちゃんの大きさや子宮口の開き具合によって数回行われます。
なので場合によっては、数日かかります。
私が行った病院の先生曰く1週間以上行ったこともあるそうです。
私の場合は、5cm程度広げるために、入院初日から1日に2回処置をしました。
1度目は、痛いけど我慢できる程度で、2度目は処置後に涙が出るほど激痛でした。
1度目は一応入るけど出てきてしまうと、何度も入れなおされました。
2度目はガーゼを抜くだけでも激痛で、過呼吸状態になり一度中断し深呼吸しながら行いました。
私は精神状態も含めて、この処置が分娩よりもきつかったです。
この処置で陣痛がくる場合もあります。
陣痛誘発・促進 ー数時間おきー
子宮口を広げる処置後、ある程度広がると今度は、膣内に陣痛を起こす薬をいれます。
この処置は、数時間おきに行います。
私の場合は3時間おきでした。
私の場合は、この処置の前に(ラミナリア桿2回目の処置後)陣痛が起こっていたので1回で終わりました。
分娩 ー帝王切開になる可能性もー
ここからが一番個人差があると思います。
分娩台に移動し、点滴をし、エコーなどを確認しながら分娩を行います。
おそらく普通の分娩と変わりません。
週数が大きければ大きいほど、いきむこともあるかと思います。
そして、びっくりしたのが先生、助産師さんのほかにたくさんの看護師さんなども関わり、ちゃんとお産として行われました。
てっきり、先生と助産師と1~2名ほどの看護師さんで静かに行うと思っていました。
私の場合は、陣痛誘発・促進の後すぐに分娩台に移動し、数分で破水し、バタバタと出産しました。
旦那に「朝の処置終わったよ」とLineし、その約30分後にはすべてが終わり「生まれたよ」と連絡しました。
とても安産で、ママ想いの優しい子でした!
人によっては胎盤を出す(激痛)
出産後胎盤は自然とはがれ排出されるのですが、なかなか排出されない場合は先生の手で出してもらいます。
私も行いましたが、助産師、看護師さんの他にドクターが3人くらいで
「胎盤が出ない、胎盤が出ない」と処置をしてくれましたが、激痛。
前処置より出産より、何より痛かった。
分娩台で安静
2時間ほど分娩台で安静にし、点滴を行いながら悪露の状態を見られたりします。
赤ちゃんと対面
出産後すぐの場合と、少し時間をおいて対面する場合があります。
産院によって異なったり、本人の希望や立ち合いの有無でも変わります。
私の場合は、立ち合いが無く、旦那が病院に到着後一緒に対面を希望し、落ち着いてから1時間半ほど3人の時間を作ってもらいました。
お薬服用と予後の確認 ー1泊~数泊ー
産後はおっぱいを止める薬や、感染症予防の薬を服用します。
通常は一泊以上し、経過観察を行います。
内診なども行い、母体の状態に問題なければ退院です。
私の場合は、翌朝トイレの途中に低血圧で意識が遠のき、「トイレで一人寂しく子どもの元へ行ってしまうのかな、これが私の最期か」となりましたが、数時間様子を見て予定通り退院できました。
死産でもお産です。たくさんの人たちが赤ちゃんのために頑張ってくれます。
「静かなお産」なんて表現されます。
ただ、お産はお産です。
産声がないだけで、たくさんの人が赤ちゃんの誕生のために頑張ってくれます。
ママは痛みや悲しみに耐えて産みの苦しみを経験します。
「今日手術してきたんでしょ」なんて分からない人は言います。
出産ってわかる?出産して半日で帰ってく来れるわけないだろ。
手術って何?寝てる間に全て終わってるとでも思うの?
と、とても傷つくこともありましたが、
これを乗り越えた先の、痛み、悲しみ、辛さ、幸福感は産む本人(ママとパパ)しか味わえません。
頑張ったね。お疲れ様。つらかったね。そしてママとパパからのおめでとう。
静かなお産の後は、みんな「頑張ったね。お疲れ様。つらかったね。」と声をかけてくれます。
私が、この入院中痛み以外で泣いたのは出産直後に助産師さんに手を握られ肩を抱かれながら、この言葉をかけてもらった時です。
頑張らないとと張りつめていた気持ちが和らいだ瞬間でした。
その後落ち着いてから、気を張っていた気持ちがなくなり、旦那と面会し娘との3人の家族時間にはたくさん、「お誕生日おめでとう」と言いました。
「おめでとう」なんて、言えない、言ってほしくないと思う方もいると思います。
無理に言わなくてもいい。
でも、どんな形であれ、ママとパパ、そして赤ちゃんは頑張ったのです。
そんな家族のために、「頑張ったね。おつかれさま。つらかったね。」
そして、私からの「おめでとう」を伝えます。
にほんブログ村
コメント